味噌づくり
ひかり味噌
冷涼な気候と豊富な伏流水に恵まれた信州中央アルプス。
味噌の醸造に適したその麓で、私たちは味噌づくりにひたむきに向き合っています。
その日の気温や湿度、大豆と米の状態を、長年の経験と培った知識を用いて見極める蔵人、
発酵と熟成の過程を見守る蔵人、味噌の味をいつもの美味しさに仕上げる蔵人。
機械化が進む中でも、蔵人たちは手間暇を惜しむことなく、味噌に寄り添い続けています。
- 醸造の神を祀る松尾大社に
由来する祠前に集う
銀座豉特選味噌の造り人たち - 味噌の熟成具合を確認する
醸造責任者 小市一道 - 味噌のパッケージ充填工程
担当者の目が光る
味噌は、大豆、米、塩といった自然の恵みを余すことなく用いた日本の伝統食品です。
古来、日本人の健やかな食生活を支えてきた味噌。
これからも安心安全に、そしてさまざまにお楽しみいただきたい。
その一心で味噌づくりに邁進していきます。
大寒仕込み
大寒仕込みは、年にたった一度、一年でもっとも寒い大寒の時季に行う伝統的な味噌の仕込みです。大寒の頃は、空気中の雑菌が少なく、味噌を仕込むのに適した時期といわれています。大寒仕込みは、その日の早朝に、醸造の神を祀る京都の松尾大社に由来する祠で、一年間の味噌づくりの豊穣と無事とおいしい味噌の仕上がりを祈願することから始まります。
- 大寒仕込みに先んじて
つくる味噌玉
丹精込めてすべてが手作業による - 二晩かけてじっくりとつくる
コシヒカリの米麹
米どころ名産県より厳選 - 味噌のためにつくられた
大豆トヨハルカ
強い甘みときめ細かな組成が特徴
味噌の仕込みに先んじて、味噌玉をつくります。
味噌玉は、蒸煮した大豆をつぶして大きな玉にしたもの。蒸煮した大豆を、しっかり固まるように、温かいうちに丸めます。冷えて気温になじんだ味噌玉の中では、ゆっくりと乳酸発酵が進み、味噌の味を深めます。味噌玉の使用は、大寒仕込みの味噌だけに限られています。
米麹に使うのは、甘みの強いコシヒカリ。麹菌の働き具合を蔵人が見守りながら、二晩かけてじっくりと麹にします。
大豆は、味噌づくりのためにつくられた品種トヨハルカ。蔵人がその日の気温や湿度、大豆の吸水の状態などを見極め、最適な環境をつくり、ふっくらと蒸煮します。決して機械だけに頼ることはありません。
大豆、米麹、塩、みそ玉を砕きながら仕込んでいきます。
タンクに入れる際には、味噌が均一に発酵するように、丁寧に空気を抜きながら人が足で踏みならします。
発酵と熟成は、自然の力に任せじっくりと。冷え切った土蔵の中で、微かに発酵が営まれ、気温の上昇と共にその発酵が活発になります。夏の土用の頃に天地返しを行い、味噌の中の微生物を空気に触れさせて発酵を促します。さらに秋の熟成期間を経て、天然醸造味噌は仕上がります。銀座豉特選の味噌は、そこからさらに二年、三年と低温熟成。これにより、塩角がとれうま味がしっかりと感じられる、調和の取れた味噌に仕上がるのです。
- 通常品は自動化されている
パック詰め作業。
麹をつぶさぬよう
手作業で行う - 味噌の表面から空気を追い出し
しっかりと押さえる - 検査機器を通過し
最後は人の目で良品で
あることを確認
大寒仕込みの味噌は、一つ一つ丁寧に手作業で詰めていきます。手間のかかる作業ですが、このおかげで麹の粒はふっくら。熟成期間が長くとも米麹のやさしい甘みを感じていただけます。パッケージに詰めた味噌は、人の手で丁寧にふたを閉じ、人の目と検査機器で安全を確認しています。
大寒仕込みは、職人技と味噌醸造の精神を継承するため、機械化が進む今でも長年守り続けている大切な味噌づくりです。
有機味噌
大豆、米、塩といった自然恵みからつくる味噌。おいしさを維持しながら安心安全にお届けしたいという思いから、30年以上、有機味噌に取組んでいます。
- 丸々と身を太らせた
収穫前の有機大豆 - 米の名産地吉林省北部の有機水田
- ひかり味噌飯島グリーン工場
横を流れる中田切川
味噌の原材料のうち、無機化合物である水と塩を除くすべてが有機栽培の農作物でなければ、有機味噌にはなりません。有機栽培の農作物は禁止されている農薬や化学肥料を使用しないことを栽培条件としています。
ひかり味噌飯島グリーン工場は、有機JASはもちろん、USDA有機認証、そしてもっとも厳しいEU有機認証を取得しています。
有機味噌の原材料に使用している大豆と米は、厳しく管理された農場で生産されています。
栽培に適した冷涼な気候と適度な雨量、豊富に栄養を含んだ黒々とした土。潤沢な自然の恵みを受け、収穫まで丸々とその実を太らせます。そこに、圃場管理者の熟練した農業技術と緻密に実施される除草作業や徹底した帳票管理、“命がけでつくる”という熱意が融合し、有機原材料の安心安全なおいしさはつくられています。
有機(オーガニック)食品を生活に取り入れることは、土壌や河川の保全、生態系、有機農産の維持につながると考えています。